Open Thu~Sun 13:00~19:00
2022.2.24(Thu)-3.20(Sun)
渡辺志桜里は1984年東京都生まれ。
2015年に東京藝術大学美術学部彫刻科を卒業後、17年に同大学大学院を修了。
2017年「sleeping pool」(東京芸術大学、東京)。
2018年にはSYP GALLERYの前身であるS.Y.P-Artists run space in Tokyo-において「sweet doughnut」を発表。
2020年に渡邊慎二郎との2人展「Dyadic Stem」(The 5th Floor、東京)や「ノンヒューマン・コントロール」(TAV GALLERY、東京)で独自の世界観を表現しました。
昨年開催されたChim↑Pom・卯城竜太キュレーションによる初個展「べべ」(WHITEHOUSE)での展示も注目された気鋭の作家です。
渡辺は自身の代表作でもあるインスタレーション作品《サンルーム》において、渡辺にとって身近な遊び場であった皇居から採取された植物、魚、バクテリアなどを別々の水槽に分離させ、それぞれを繋ぎ合わせ水を循環させることで、自動の生態系をつくり出し、それらのアップデートを重ねることによって人類絶滅後も永続可能な生物の営みを維持しています。そこで行われる脱中心的な運動から独自の政治的批判やフェミニズムを語ってきました。
今回の新作《Nipponia nippon》で渡辺は日本で特異な種である二つの生物に焦点を当て、新たな試みに取り組んでいます。
《RED》では身元不明の白骨から復顔法(科学捜査研究所で使われる白骨死体から粘土などで肉付けをして復元する技術)を心得る技術者によって生前の姿を模索します。そこには絶え間なく変化する現在進行形の姿が提示されます。
また一方の《BLUE》では渡辺が制度に沿って捉えた生体の処理方法としてフライにして食べるという選択をしました。そこで生まれる大量の廃油を余す事なく活用し、人間の生活に役立つものとしてリサイクルしています。
渡辺が、近年取り組んでいるテーマ、循環や人類と人類以外の生命、無機物などの複雑な絡み合いの中で資本主義や国家の思惑などの力の作用がどう他アクターに及んでいくのか。
サンルームを起点にナラティブを紡ぐ対照的な二つの種に焦点を当てて日本という国家のアウトラインを探っていきます。
Fishermen dump black bass, bluegill, and other imported fish into a box named “exotic fish”. The piles of non-native fish are regularly sent to processing plants where they are heated and grounded into compost to be used as fertilizer for house gardens and crops. The bluegill, which thrived due to human activity, is now eliminated as a threat to the Japanese ecosystem and recycled. On the other hand, overfishing, pesticides, and environmental changes caused by rapid modernization led to a decline in their number and, in 1952, the crested ibis (Nipponia nippon) was designated a special natural monument and repeatedly bred artificially. As an endangered species endemic to Japan, the species was once extinct, but its life has been prolonged and is still being carried on by the descendants of “Yuyu” and “YoYo”, Chinese species gifted to Japan. The foreign species that come and go bluring the borders and the outline of the nation that lies behind them. Unidentified, the two completely different fates are hereafter explored.
渡辺 志桜⾥「Nipponia nippon」
SHIORI WATANABE “Nipponia nippon“
Open Thu~Sun 13:00~19:00
2022.2.24(Thu)-3.20(Sun)
渡辺志桜里は1984年東京都生まれ。
2015年に東京藝術大学美術学部彫刻科を卒業後、17年に同大学大学院を修了。
2017年「sleeping pool」(東京芸術大学、東京)。
2018年にはSYP GALLERYの前身であるS.Y.P-Artists run space in Tokyo-において「sweet doughnut」を発表。
2020年に渡邊慎二郎との2人展「Dyadic Stem」(The 5th Floor、東京)や「ノンヒューマン・コントロール」(TAV GALLERY、東京)で独自の世界観を表現しました。
昨年開催されたChim↑Pom・卯城竜太キュレーションによる初個展「べべ」(WHITEHOUSE)での展示も注目された気鋭の作家です。
渡辺は自身の代表作でもあるインスタレーション作品《サンルーム》において、渡辺にとって身近な遊び場であった皇居から採取された植物、魚、バクテリアなどを別々の水槽に分離させ、それぞれを繋ぎ合わせ水を循環させることで、自動の生態系をつくり出し、それらのアップデートを重ねることによって人類絶滅後も永続可能な生物の営みを維持しています。そこで行われる脱中心的な運動から独自の政治的批判やフェミニズムを語ってきました。
今回の新作《Nipponia nippon》で渡辺は日本で特異な種である二つの生物に焦点を当て、新たな試みに取り組んでいます。
《RED》では身元不明の白骨から復顔法(科学捜査研究所で使われる白骨死体から粘土などで肉付けをして復元する技術)を心得る技術者によって生前の姿を模索します。そこには絶え間なく変化する現在進行形の姿が提示されます。
また一方の《BLUE》では渡辺が制度に沿って捉えた生体の処理方法としてフライにして食べるという選択をしました。そこで生まれる大量の廃油を余す事なく活用し、人間の生活に役立つものとしてリサイクルしています。
渡辺が、近年取り組んでいるテーマ、循環や人類と人類以外の生命、無機物などの複雑な絡み合いの中で資本主義や国家の思惑などの力の作用がどう他アクターに及んでいくのか。
サンルームを起点にナラティブを紡ぐ対照的な二つの種に焦点を当てて日本という国家のアウトラインを探っていきます。
Fishermen dump black bass, bluegill, and other imported fish into a box named “exotic fish”. The piles of non-native fish are regularly sent to processing plants where they are heated and grounded into compost to be used as fertilizer for house gardens and crops. The bluegill, which thrived due to human activity, is now eliminated as a threat to the Japanese ecosystem and recycled. On the other hand, overfishing, pesticides, and environmental changes caused by rapid modernization led to a decline in their number and, in 1952, the crested ibis (Nipponia nippon) was designated a special natural monument and repeatedly bred artificially. As an endangered species endemic to Japan, the species was once extinct, but its life has been prolonged and is still being carried on by the descendants of “Yuyu” and “YoYo”, Chinese species gifted to Japan. The foreign species that come and go bluring the borders and the outline of the nation that lies behind them. Unidentified, the two completely different fates are hereafter explored.